米沢市の中田町と花沢を結ぶ米沢大橋。国道13号米沢バイパスの一部として、一九七〇(昭和四十五)年十一月、完成した。延長二百四十二・五メートル、幅十メートルで、片側に幅一・五メートルの歩道が設けられており、連日、多くの車が行き交っている。
一九六六年、栗子峠に二本の新トンネルが掘られ、「栗子ハイウエー」が開通した。これを機に、米沢市内を通る国道13号の交通量が激増。一日約九千台の車が走り、交通渋滞が起こるようになった。
この混雑を解消しようと、中田町から万世町片子までを結ぶ米沢バイパスの建設に着手。その工事の一環として、松川(最上川)に米沢大橋が架けられた。
米沢バイパスの開通式では、近くに住む親子三世代の家族二組が渡り初めをした。そのうちの一人で同市中田町の農業本田勢治さん(60)は「橋が架かるまで、(川向こうの)花沢は近くて遠い場所だった」と振り返る。開通までの間、対岸に渡るには大きく迂回(うかい)するしかなく、川の浅瀬を歩いて渡ることもあったという。
同じく渡り初めをした本田さんの母ヨネさん(82)は「周辺で米沢大橋ほど立派な橋はなく、大変感心したものだった。橋の周りも水田だった所に家が立ち、街並みも変わった」と当時を懐かしんだ。
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