長井市の中心部と伊佐沢地区を結ぶ県道久保桜線の「さくら大橋」は、今年七月一日に開通したばかり。県内で最も新しい橋だ。
長井と南陽を最短で結ぶ旧長井大橋は、交通量が多い割には幅が狭く、大型車同士が擦れ違えなかった。県道沿いには国指定天然記念物「久保桜」があり、花見の季節にはしばしば渋滞を招いていた。
それにも増して問題だったのは歩道がなく、児童・生徒の通学が危険だったこと。このため、県は二〇〇〇年度から約三十七億円を投じ、さくら大橋を建設した。
橋の全長は五百二十一メートル、全幅は一四・五メートル。右岸側四百二十一メートルは鋼橋、左岸側百メートルはコンクリート橋という複合構造だ。課題だった歩道も両側に三・五メートルの幅が確保された。
右岸側の日の出町から対岸の長井小には現在、二十人の児童が通う。その一人で五年生の高橋亘君(11)は「前は狭くて一列になって渡らなければいけなかったが、今は並んで話しながら歩けるので楽しい」とにっこり。
さくら大橋は、鋼材表面に特殊なさびを生成し塗装を不要としたり、長寿命の床版を使うことで建設費、維持費を抑えた。さらに特殊ゴムで地震の揺れを吸収する免震構造のため、阪神大震災級の揺れでも橋本体にはほとんど損傷が出ないという。まさに「二十一世紀の低コスト・ハイテク橋」だ。
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