国道287号の柏陵(はくりょう)橋は、大江町藤田と寒河江市中郷を結ぶ全長百五十六メートルの橋。晴れた日には雪を頂いた月山や葉山が眺望でき、自然と人工構造物の美しい調和をみせてくれる。
二十年余り前、道幅の狭い大江町左沢の市街地区間を通らずに通行できる左沢バイパスが計画された。蛇行する最上川に二本の橋を架け、大江町藤田-寒河江市木の沢間三・六キロを結ぶ新路線を整備するもので、中心街の左沢を通っていた旧道に比べ約二キロ短縮される。その橋の南側の一本が柏陵橋。一九八九年十一月、国道287号左沢バイパスの一部として完成した。
開通によって朝日町-中山町などがぐんと時間短縮され、交通の利便性が向上、物流や人的交流の面でも大きな役割を果たしている。
柏陵橋の開通後、橋のたもとの大江町藤田の左沢中学校跡地開発が進んだ。九一年の温泉掘削を契機に、グラウンドと野球場だった用地にテルメ柏陵・健康温泉館が造られたほか、老人福祉センター柏陵荘、国道沿いには「道の駅おおえ」ができ、連日にぎわっている。
橋のやや上流部は、NHKドラマ「おしん」で有名ないかだ下りのシーンを撮影したロケ地。今では河畔が水辺プラザ(親水護岸)として整備されており、観光やなとともに、水郷大江の風情を楽しむことができる。
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