尾花沢市名木沢に架かる舟戸大橋は、最上川右岸の名木沢地区の人々が、左岸にある畑や水田に行く際の不便を解消することなどを目的に建設された。完成は一九九六年。左岸に位置する大石田町白鷺の住民にとっても、生活の交通の流れを変化させる大きな出来事だった。
左岸に田畑を持つ名木沢の人々は、耕作のためには渡し船を使うか、十キロ以上も遠回りするほかなかった。これらを解消するため、県は農免農道整備事業として長さ二百四十メートルの舟戸大橋を架けた。
大石田町白鷺は戦後の開拓集落。舟戸大橋ができると、名木沢方面への人の流れができた。完成当時に白鷺区長だった小倉昭三さん(78)は「車で新庄や東根に簡単に買い物に行ける。橋ができて便利になった」と話す。
舟戸大橋の照明灯は、緩やかなカーブを描いている。ワラビをイメージしたデザイン。担当した一人の高野公男東北芸術工科大大学院教授(環境デザイン)は「周辺の豊かな里山を思い描いた」と話している。
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