馬見ケ崎川を上流に向かって進むと、山形自動車道山形蔵王インターチェンジの手前に、下唐松橋が現れる。全長八十九メートル、幅七メートルのコンクリート橋だ。
橋が完成したのは一九九一年三月。現地に作業所などを持つ建設会社や砂利店などのほか、付近の町内会などでつくる下唐松橋利用者連絡協議会が県の補償を受けて架橋。現在は農道橋として山形市が所有している。
建設業関係者や地域住民らによると、以前は建設会社や砂利店などが架けた仮橋があったという。仮橋は、国道13号の舗装用に、上流から流れてきて河川敷に転がっている岩石を集めて砂利にするため設置した。当時の馬見ケ崎川の水位は今よりも高く、大雨のたびに橋が流される心配もあった。付近の住民は仮橋を業務用ととらえ、あまり渡ることはなかったようだ。
現在は秋の芋煮会シーズンになると、下唐松橋周辺にも大勢の家族連れなどが繰り出す。最近の健康ブームで、川や橋周辺は地域住民の散歩コースにもなっている。同市小白川五丁目の松田洋夫さん(66)は、二匹の白い犬「タカ」と「リキ」を連れて橋の辺りを歩くのが日課。「朝と夜の二回、欠かさず歩いている。この辺は静かなので、犬も気に入っているみたいだ」と話していた。
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