やまがた橋物語

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前川編[11]

◆中ノ橋(上山)

中ノ橋(上山)の写真 石曽根地区の通勤通学道となっている中ノ橋。散歩で通る人も多い=上山市

 上山市の石曽根地区の流れに緑色の欄干が特徴的な中ノ橋(全長33メートル、幅6メートル)が架かる。1979(昭和54)年に架け替えられた永久橋で、竣工(しゅんこう)式では地区の年長者が渡り初めしたという。名称は“上中下の真ん中の橋”に由来する。

 現在この付近に架かるのは中ノ橋だけだが、前石曽根地区会長の斎野藤雄さん(64)によると、永久橋に架け替える前は四つの橋があった。上流側から「お宮橋」「上(かみ)ノ橋」「中ノ橋」「下(しも)ノ橋」。それぞれ丸太や木造の橋で農作業用に架けられていた。お宮橋は住民が参拝する小さなお宮が近くにあったことに由来する。やがてこの四つの橋が上ノ橋と中ノ橋の2本になり、それを永久橋に一本化する際、中ノ橋の近くに架設したので名称がそのまま受け継がれた。

 周囲には田畑が広がり、昔は田植え前の春先に川の数カ所に土のうを積み上げ、せきを造って水を引いた。重労働のため住民総出で行った。斎野さんは「前川がいくら暴れ川でも、この川があるから農業ができ、石曽根地区は成り立ってきた」と話す。

 中ノ橋のそばにもせきが造られ、夏場は子どもたちが集まった。「昔はプールがなかったから、せき止めた深い水場は最高の遊び場だった。みんな橋の上から飛び込んだ」と斎野さん。水がきれいで、カジカやハヤがたくさん生息し、釣りの楽しみも。いろりでくし焼きにしたカジカは、とてもおいしかったという。

 現在の中ノ橋は通勤通学の道路となり、住民の散歩コースとしても親しまれている。

2010/03/17掲載
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