やまがた橋物語

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月光川編[4]

◆新朝日橋(遊佐)

新朝日橋(遊佐)の写真 朝日橋から望む新朝日橋=遊佐町遊佐

 遊佐町遊佐と吉出地区に架かる新朝日橋(全長95メートル、幅12.5メートル)。鳥海山を眼前に望む絶景ポイントに位置する。周囲の河川公園はアカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」のロケ地として有名。すぐわきには、存在感たっぷりに先代の「朝日橋」が並んでいる。

 新朝日橋は1992年3月に完成。初代の橋は明治時代、10メートルほど下流に設置された木橋だったという。大正時代に朝日橋の前身となる木製の橋が架けられた。

 吉出地区はかつて造り酒屋、製材工場、商店などが集まる商業地で、遊佐駅へ商品を運んだり、買い物客が地区へ向かうのに朝日橋は重要な役割を果たした。野沢、白井新田など町北西部の住民にとっては生活道路として欠かせない橋だった。

 町商工会長の佐々木俊夫さん(80)=同町吉出=は「昭和初期、橋は馬車や荷物を持った人でにぎわった。川は洪水で氾濫することも何度かあったが、朝日橋は流されることもなく住民の足を守った」と振り返る。佐々木さんの説明では、鳥海山と東から昇る太陽が実に美しく見える場所だったことから朝日橋と呼ばれるようになったという。

 今も残る朝日橋は58(昭和33)年に県の手で架け替えられた。幅は広がりコンクリート製になって、町の発展を陰から支えてきたが、スーパー農道整備に伴って新設された新橋に役目を引き継いだ。佐々木さんは「新しい橋は近代的で安全。でも子どものころから渡っている朝日橋に対しては多くの思い出と愛着がある。このまま保存してほしい」と語っている。

2011/01/20掲載
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