やまがた橋物語

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赤川編第1部[8]

◆羽黒橋(鶴岡)

羽黒橋(鶴岡)の写真 出羽三山神社の玄関口にふさわしく擬宝珠が印象的な羽黒橋=鶴岡市

 主要地方道鶴岡羽黒線の一部として旧鶴岡市と旧羽黒町をつなぐ「羽黒橋」。市民の生活道路であるとともに、全国に知られる観光地・出羽三山の玄関口に架かる。週末になると県内外からの観光客を乗せたバスが何台も通過する。

 現在の羽黒橋は二代目。旧羽黒町の出来事を紹介する「町報はぐろ」によると、かつて橋がなかった時代、住民は渡し舟で往来していた。初めて架けられたのは木製の橋で菅原橋と呼ばれた。大雨で増水すると、たびたび流されたという。

 初代の羽黒橋は一九五五(昭和三十)年に建設された。七一年には雪解けによる増水で、川底の土砂が流れ、橋脚が沈み、橋げたが傾いた。このため七四年、全長二九四メートル、幅一一・五メートルの新羽黒橋が架けられた。

 総工費は約三億八千万円。新たに歩道が整備され、出羽三山神社へつながる橋らしく、欄干には擬宝珠(ぎぼうし)が取り付けられた。完成式典では、山伏に先導され多くの住民が渡り初めを行った。

 親子三代の渡り初めをした菅原茂也さん(63)=同市羽黒町赤川=が当時を振り返る。「古い橋は幅が狭く、通行人と車、トラック同士が擦れ違う際は危なかった。新しい橋が完成して『これなら安全だ』とみんなが思った」。晴れ着で臨んだ家族の写真を見ながら、懐かしそうに目を細めた。

 県によると、一日に一万台を超える車が通過するという羽黒橋。付近の川辺では今の季節、アユ釣りに興じる太公望の姿も見られる。たもとにある河川敷のグラウンドは、野球やサッカー、ゲートボール場として市民に親しまれている。

2008/07/25掲載
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