やまがた橋物語

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赤川編第1部[10]

◆黒川橋(鶴岡)

黒川橋(鶴岡)の写真 地元の声に配慮し残った黒川橋=鶴岡市

 鶴岡市黒川地区の赤川に架かる市道三千刈成沢線の「黒川橋」は、一九三五(昭和十)年に設置された鉄筋コンクリート製の古い橋だ。長さ約三百メートル、幅は約五メートルと狭く、総重量四トンを超える車両は通行禁止となっているが、通勤、通学の利用も多く、地域の生活道路として需要は高い。市は毎年補修を行い、延命に努めている。

 老朽化し大型車同士が擦れ違うこともできない黒川橋は八〇年、約四百メートル上流の「王祇(おうぎ)橋」の完成に合わせ、役目を終えるはずだった。しかし、国道112号へのアクセス道であり、通勤や櫛引中への通学を心配した田代、馬渡、大杉などの住民から存続を求める声が上がった。このため当時の櫛引町や県が配慮し、残すことにした。耐久性の問題から、総重量が九トンを超える車両を通行禁止にし、八八年からは規制を四トンにした。路線バスは王祇橋を経由している。

 黒川橋が最初に架けられたのは一九〇七(明治四十)年七月。赤川の東西を結ぶこの地域唯一の橋として重要な役割を担ってきた。木製の橋で、洪水のたびに流木などで破損。そのため、コンクリート製の橋が現在の場所に架け替えられた。その後、交通事故で歩行者が犠牲になったことから、幅約一・五メートルの待避所が三カ所設けられた。

 黒川橋の近くには櫛引総合運動公園や、くしびき温泉「ゆ~タウン」などもあり、「利用する人も増え、重要度を増した気がする」と話すのは近くに住む黒川下地区長の秋山弥里さん(66)。年に二回、清掃奉仕が行われ「思い出がたくさん詰まった橋。架け替えることは無理かもしれないが、無くすわけにはいかない。大切にしていきたい」と笑顔を見せた。

2008/08/05掲載
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