2011年山形県内スポーツ十大ニュース
2011年の本県スポーツ界には、世界一の歓喜、将来性豊かなアスリートの躍動、そして受け止めなくてはならない厳しい現実もあった。東日本大震災の暗い影が覆う中、私たちの心を突き動かしたのは、幾多の困難に立ち向かう選手たちの力強い姿勢だろう。激動の一年から十大ニュースを選んだ。
1W杯初優勝の佐々木則夫監督に県スポーツ大賞![]() 県スポーツ大賞を受賞し、ドリームキッズに迎えられてあいさつするサッカー女子日本代表の佐々木則夫監督(中央)=7月29日、県庁 7月17日、ドイツのフランクフルトで行われたW杯決勝。国際サッカー連盟(FIFA)ランキング4位の日本は同1位の米国と対戦し、PK戦の末振り切った。2008年の代表監督就任以降、個々の選手の潜在能力を引き出しながら戦ってきた佐々木監督。大舞台でも高い指導力を発揮し、日本の女子サッカー界の歴史を塗り替えた。 その功績をたたえようと、県は7月29日、五輪メダリスト、またはそれに準じる成績を収めた者に該当するとして、通算4人目の県スポーツ大賞を授与。尾花沢市も市民栄誉賞を贈った。 なでしこジャパンの快進撃は続く。9月のロンドン五輪アジア最終予選では無敗で1位通過を果たし、3大会連続4度目の五輪出場を手繰り寄せた。山形に凱旋(がいせん)した佐々木監督の雄姿に、県民は大きな感動と誇りを胸に刻んだ。 2モンテディオ山形、来季はJ2に![]() 攻撃に比重を置く新戦術は機能せず、モンテディオ山形はJ1・3年目のシーズンを最下位で終えた=11月の第33節名古屋戦、愛知県 得点力アップを狙い、攻撃的な新戦術に取り組んだが不発。全体のラインを押し上げて相手ゴールに迫ったが、その背後を突かれては失点を重ねた。5月の第11節大宮戦から降格圏の17位に沈み続け低迷。11月の第31節神戸戦で敗れ、3試合を残してJ2降格が決まった。総得点数は「23」とリーグで最も少ない結果。進化への道のりは険しかった。 2008年のJ1初昇格から指揮を執っていた小林伸二監督の退任が決定。チームを運営する県スポーツ振興21世紀協会の川越進理事長は、2年連続で単年度収支が赤字になる見込みの経営責任などを取って辞任した。見せ場の少ない厳しいシーズンだったが、年間を通じて反則ポイントの少ないフェアプレー賞を3年連続で獲得した。 3長谷川勇也が日本一。栗原健太はGグラブ、ベストナイン県勢の目覚ましい活躍が光ったプロ野球。低反発の統一球の導入で、投高打低が顕著なシーズンだったが、鶴岡市出身の外野手・長谷川勇也(ソフトバンク、酒田南高出)は高打率をキープしながら主力選手として活躍、8年ぶりの日本一に貢献した。天童市出身の内野手・栗原健太(広島、日大山形高出)は初のベストナイン、3度目のゴールデングラブ賞と攻守に躍動した。勝負強い打撃を持ち味とする長谷川は125試合に出場し、打率2割9分3厘はリーグ8位。クライマックスシリーズファイナルステージ第3戦の西武戦では延長十二回にサヨナラ打を放ち、日本シリーズ進出の立役者になった。 144試合フル出場の栗原は打撃主要3部門でリーグ10傑入りし、打点は2位。8、9月は2カ月連続で月間MVPに輝き、チームをけん引した。 4土井雪広が日本人初のブエルタ出場![]() 日本人として初めてブエルタ・ア・エスパーニャに出場した土井雪広(スキル・シマノ、山形電波工高出)(共同) 第6ステージは一時トップに立つなど終盤まで先頭争いに絡み、第7ステージでは完璧なアシストでチームエースの優勝に貢献。3週間で走行距離約3300キロのレースに挑み、完走した。 「ずっと思い描いていた夢がかなった。(レースでの)チームの目標も達成できたし、走り切ったことが自信になった」と手応えをつかみ、さらなる飛躍を誓った。 5IHスキーとバスケ山商、中学競泳陣が躍動
年末のバスケットボールの全国高校選抜優勝大会では、女子の山形商が県勢初の決勝に進出。札幌山の手(北海道)との決勝では前半を3点リードで折り返したものの、後半は苦しい時間帯が続き、73−80で惜敗=写真。初の栄冠を逃した。 全国中学大会の競泳陣も全国舞台で開花した。男子は、平泳ぎの大久保琳太郎(米沢四)が100メートルと200メートルで2冠。女子は、200メートル背泳ぎの西脇怜奈(鶴岡一)、400メートル自由形の長谷川鼓(鶴岡三)が栄冠をつかんだ。 6故皆川睦雄氏が野球殿堂入り。県人で初
米沢西高(現米沢興譲館高)から1954(昭和29)年、南海に入団。56年から8年連続で2桁勝利を挙げ、68年には31勝で最多勝タイトルを獲得、南海の黄金時代を支えた。通算18年で歴代15位の221勝(139敗)を記録、「最後の30勝投手」として知られる。 地域の誇りである偉大な投手を後世に伝えていこうと、出身地の同市山上地区に看板、米沢市営球場に顕彰碑がそれぞれ建てられた。 7鶴岡東、30年ぶりの夏の甲子園混戦を極めた高校野球は、鶴岡東が30年ぶりに全国高校野球選手権への切符を手にした。2年連続同じカードとなった山形大会決勝では、3−2で山形中央を下し、延長12回の末に敗れた前年のリベンジを果たした。甲子園では、2回戦で智弁学園(奈良)に1−2と惜敗。攻撃は好機に一本が出ずわずか1点に抑えられたが、先発佐藤亮太の粘投、野手陣の無失策と堅守が光った。 また、OBでBCリーグ新潟の左腕渡辺貴洋が、巨人から育成ドラフト6位で指名を受け入団した。 8加藤条治がW杯11勝。小田卓朗は全日本距離別2連覇スピードスケートのバンクーバー冬季五輪銅メダリスト加藤条治(日本電産サンキョー・山形中央高出)はロシア・チャリャビンスクで行われたワールドカップ(W杯)の男子500メートルを制し、同種目でW杯通算11勝目をマーク。小田卓朗(早大・山形中央高出)は大学生1年目の今季、全日本距離別選手権男子1500メートルで2連覇を遂げ、W杯前半戦を戦った。9アテネ、北京五輪代表の池田めぐみが引退アテネ、北京両五輪で日本代表のフェンシング・エペの池田めぐみ(県体育協会)が現役を引退し、競技人生にピリオドを打った。米沢興譲館高で競技と出合い、全日本選手権3連覇、2006年のW杯準優勝、広州アジア大会女子団体優勝とキャリアを重ねてきた17年間。ロンドン五輪を目指していた中での引退だった。乳がんを告白し、子どもたちに夢を託した。10スポーツ界にも震災の余波東日本大震災の余波は県内スポーツ界にも広がった。第57回県縦断駅伝競走大会をはじめ、バスケットボールの第63回藤井・高野杯県高校選手権大会が中止。第58回春季東北地区高校野球大会は、東北大会の開催を見送った。サッカーのモンテディオ山形は、リーグ戦の中断に伴いチームを一時解散。バレーボールプレミアリーグ女子のパイオニアレッドウィングスは、シーズンが打ち切りとなり活動を休止した。次点国体で42年ぶりの県勢優勝ゼロ山口県で開かれた第66回国民体育大会で、県勢は、冬季大会を通じて1969(昭和44)年の第24回長崎国体以来、42年ぶりとなる優勝ゼロに終わった。カヌーや陸上を中心に少年が活躍したものの、男女総合成績(天皇杯得点)は42位と低迷した。 |
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