社説

道の駅「米沢」100万人突破 波及効果を県内各地へ

 米沢市の東北中央道米沢中央インターチェンジ近くに今年4月開業した道の駅「米沢」の来場者数が、半年足らずで100万人の大台に達した。開業当初の予想を大きく上回っており、特に県外客が多いのが特徴だ。道の駅自体が誘客施設になり得ることを証明した形だが、それ以上に期待されていたのはここを拠点に置賜各地へ観光客を誘導するゲートウェイ機能。この勢いを維持しつつ、波及効果を上げる取り組みに期待したい。

 道の駅「米沢」は国の「重点道の駅」として整備され、今年4月20日に開業した。休憩や道路情報提供に加え、総合観光案内所に外国語にも対応したコンシェルジュを常駐させ、旅行業登録をして旅行商品開発にも取り組んだり、高速バスの停留所を設けてパーク&ライド用の駐車スペースも確保したりするなど、ほかの道の駅にはない特徴を備えている。市などは当初、周辺道路の通行量などを基に開業初年の来場者数を85万3千人と予想したが、実際には想定の倍で推移し、今月5日に100万人を突破した。

 市と県が駐車場で車のナンバーを調査した結果、ほぼ半数は県外ナンバーで、3割は福島県からという傾向が出たという。道の駅「米沢」の坂川好則駅長は「福島県内のテレビCMやキャンペーンの効果が表れている」とする一方、「武家屋敷風の外観や内装の雰囲気の良さもあって、インスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)で紹介してくれる人が多く、イメージアップにつながっているのではないか」とも分析している。

 こうした傾向は、道の駅が観光面で大きな役割を果たせる可能性を示したが、次の課題は訪れた観光客をいかに置賜、県内各地へと誘導するかだ。それを担うのは総合観光案内所と、「米沢・置賜百選まちナビカード」コーナー。後者は置賜各地100施設のクーポンをカードにしたもので、実際に参加施設で使われた「回収率」はオープンから6月末までが平均6.1%だったが、その後の3カ月では8.4%にアップし、店舗別では30%を超えるところも出始めた。

 さらに市は国立情報学研究所などと連携し、同様の機能を持たせたスマートフォン用アプリ「たまぷり」を開発、近くリリースする。クーポンのほかにも周辺の施設案内やスタンプラリーといった機能もあり、対応施設も簡単に増やせる。さらにログデータを解析することで、観光客の行動ルートや出発地といったデータ収集も可能。多国語に対応させる予定で、置賜地域が後れを取っているインバウンド対策にも活用できそうだ。

 市は道の駅「米沢」の新たな来場者数目標を当初予想の倍、年間170万人に設定した。冬季間を迎える中でこれを達成するには、今まで以上にリピーターを増やす工夫が必要だろう。

 一方で市中には「道の駅ばかりが一人勝ちで…」といった声もあるという。だが、多くの客を呼べる拠点が近くにあるという意味は非常に大きい。そこから人を回遊させるには行政側の施策もさることながら、個々の店の魅力をアップさせ発信力を高める努力も必要だ。ハード、ソフト両面で集客環境が整いつつある今こそ、その正念場ではないだろうか。

(2018/10/22付)
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