社説

酒田港に外国クルーズ船 寄港地の魅力高めよう

 酒田港に今月1日と17日、英国船籍で米国の船会社が運航するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が寄港した。外国人の乗客が多数下船し、酒田市の中心街や周辺の観光地へ足を延ばした。

 外国の船会社が運航する外国クルーズ船では、第1号となった昨年8月の「コスタ・ネオロマンチカ」に続く同港への寄港。今年はこの後「コスタ」が8月と10月の2回予定され、計4回となる。

 さらに来年は「ダイヤモンド」と「コスタ」、パナマ船籍の「MSCスプレンディダ」が合わせて6回寄港することが決まっており、一層の拡大と寄港による経済波及効果が期待される。

 「ダイヤモンド」は寄港地が一部異なるが、いずれも横浜を出発し韓国・釜山、境港(鳥取県)、金沢を経て1日と17日に酒田へ入港した。両日とも午前7時ごろに到着し午後4時ごろ出発した。

 1日に寄港した際の乗客は約3千人で8割を米国人や英国人、オーストラリア人などの外国人が占めた。乗員は千人余り。同港古湊(こみなと)ふ頭には早朝から市民が集まり、酒田舞娘(まいこ)や大獅子が出迎えた。中町など酒田の中心街は多くの外国人がシャトルバスで行き来し、普段と異なる様相になった。

 着物、甲冑(かっちゅう)の着付けや居合の体験、地酒の試飲もあり、商店や観光施設、飲食店はにぎわった。地元関係者からは「日本人観光客とは違った商品が売れた」「Tシャツのサイズが合わなかった」といった声も聞かれた。

 港から観光地へ向かうオプションのバスツアーは8コース運行され、「加茂水族館と酒田」「羽黒山と善宝寺」「酒田市内ハイライト」「最上川舟下りと庄内の歴史」などが人気を集めた。寒河江市でサクランボ狩りをするコースもあり、クルーズ船効果は最上、村山地方にも広がることを示した。17日も多くの乗客が市内観光やバスツアーを楽しんだ。

 酒田市中心部や港で外国人に喜ばれたのが高校生や大学生のボランティアガイド。道順を教えたり施設を説明したり、目的地まで一緒に歩く生徒も。身ぶり手ぶりを交え懸命に英語で案内に挑戦する姿は、地元の人たちとの交流を重視する船会社にも好印象を与えたようだ。

 生徒や学生にとっては生きた英語を学習する場となった。外国人に説明するため身近な歴史や文化を学んで地域への愛着を深めてもらえば、将来の地元定着にもつながるのではないか。こうしたボランティアの確保は今後、クルーズ船の寄港を拡大する上で大きな課題となる。

 「ダイヤモンド」はリピーターの比率が高い。クルーズ船のファンは同じ船に繰り返し乗り、同じ寄港地でもオプションのツアーは前回と別のコースを選ぶ例も多いという。一度に大勢の観光客を受け入れ、多彩なツアーを実現するには周辺市町村との連携が欠かせない。

 曜日によって開いている店や両替できる場所などが異なるため、街歩きマップは簡易でも寄港日に合わせ毎回更新すると旅行者には便利だ。英語表示や公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」の拡充も求められる。寄港地の魅力を高め、クルーズ船はもちろん空路や陸路も含めた誘客増を図りたい。

(2018/07/23付)
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