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政宗と有楽斎、親密な証し 河北・永昌寺所有、2人交わした書状と判明

2019年03月20日 08:33
伊達政宗が有楽斎に宛てた書状。政宗の達筆に趣が感じられる
 河北町の永昌寺(布川昱哉(いくや)住職)が所有する仙台藩主・伊達政宗の書状が、織田信長の弟で茶人の有楽斎(うらくさい)に宛てた物と判明した。政宗と有楽斎が交わした書状は全国で2通発見されており、これで3通目となる。解読した鈴木勲町郷土史研究会長は「2人の親密な関係が伝わる貴重な史料だ」とし、その価値を県内外に広めたいと話している。

 有楽斎は安土桃山から江戸時代初期の大名茶人。千利休に学び、高弟7人の一人となった。政宗も徳川政権下に大名としての地位を確立し、茶道に精通していたとされる。

 書状は布川住職が主催する茶会の掛け軸として、約20年前に東京美術クラブで手に入れた。政宗が書いた物だということは分かったが、宛先や内容が分からなかったため、長らく押し入れにしまっていた。

 昨年末に鈴木会長が寺を訪れた際に、布川住職が解読を依頼。宛名や特徴的な花押などが手掛かりとなり、政宗から有楽斎に宛てた手紙だと分かった。入間田宣夫東北大名誉教授(日本中世史)にも鑑定を依頼し、本物とのお墨付きを得た。

 書状は縦約32センチ、横約41センチ。「羽越前正宗(政宗)」とあることから、1591(天正19)年~1602(慶長7)年の6月に書かれた物とみられる。内容は有楽斎が政宗の元を雨の中訪れたことへのお礼で、政宗は書家としても知られ、流れるような筆跡からは趣が感じられる。

 鈴木会長は書状の内容が「ゆっくり話ができてよかった」などとりとめもないことに着目した。「第三者には何の話なのか全く分からない。それが2人の関係性の親密さを強調している」と解説。町には茶道に関する2通の県有形文化財があり、「それに匹敵する史料」とする。

 布川住職は「この書状が記された6月に自室に飾ったこともあったが、しまっておいた時間の方が長かった」と悔やむ。書状の内容が分かったことで「400年前に生きていた2人と時間をともにしているような錯覚を覚える」と価値の高さをかみしめている。

【伊達政宗の書状 解読文】
            外不申候
             かしく

即御撚、却而御隔心之至候
 (手紙を頂いたが、かえってもどかしく思う)

誠ニ今日者、御出雨中と申
 (そう思っていたところ、きょうは雨の中おいでいただき)

何之興無之候処、緩々と御
 (何のお構いもできなかったが、ゆっくり打ち解けて話ができてとても良かった)

咄候而、外実共辱次第、書餘以
 (書面に書けなかったことは)

拝面御礼可申候、恐惶謹言
 (直接お会いしてお礼申し上げたい)

林鐘廿日    〈花押〉

     (6月20日     政宗)

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