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3時代愛されたピアノ、音色聞いて 酒田・松山伝承館で20日コンサート

2019年01月10日 13:02
火災による故障を乗り越え、90年以上にわたって住民に愛されてきたドイツ製のピアノ=松山文化伝承館
 酒田市の松山文化伝承館(榎本和介館長)のロビーに、90年以上住民に愛されてきたピアノがある。大正時代に地元の小学校に贈られた後、火災による故障からも復活を果たすなど、大切に受け継がれてきた。同伝承館では、このピアノの音色を聞いてもらおうと毎年、コンサートを開催。大正、昭和を経たピアノの平成時代の最後となる17回目のコンサートが、今月20日に開かれる。

 ピアノは1924(大正13)年、地元の篤志家斎藤元修が、皇太子だった昭和天皇のご成婚を記念し旧松嶺小に贈った。ドイツのメーカーが手掛けたアップライトピアノで、鍵盤は象牙製。当時の価格は1800円。家を2軒建てられるほど高額だったという。

 だが59(昭和34)年、同小校舎がほぼ全焼する火災が発生。ピアノは教職員らが運び出したものの、消火作業の際にぬれた影響か次第に音が出づらくなり、塗装も剥がれるなど劣化が進み、音楽準備室の奥に眠ったままになっていた。

 同小と山寺小が統合してできた松山小の教職員から「地域の宝としてピアノを復活させたい」との声が上がり、2000年に創立40周年記念事業として修復が行われた。イケダ楽器(同市)の調律師高橋俊樹さんらによる約2カ月間の作業の末、往時の気品ある漆黒の外装と、重厚な音色を取り戻した。記念式典ではピアノの伴奏に合わせて児童が合唱を披露した。

 その後ピアノは同館に移され、03年から「ホットほっとコンサート」が開催されてきた。今回のコンサートは市内で活躍する声楽家やピアニストのほか、地元の生涯学習施設で活動する「里仁館コーラス」のメンバーが参加し、「あの素晴(すばら)しい愛をもう一度」など10曲程度を披露する予定だ。

 榎本館長は今年のコンサートを前に「大正、昭和、平成と三つの時代にわたって地域を見守ってきたピアノの音色と美声を聞いて、心温まるひとときを楽しんでほしい」と話している。午後2時開演で、入館料は一般360円。問い合わせは同伝承館0234(62)2632。

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