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賢治を敬愛した松田甚次郎描く 新庄の研究会、27日花巻で公演

2019年01月10日 09:46
花巻公演に向けて練習に力を入れる新庄演劇研究会のメンバーら=新庄市民プラザ
 昭和初期、宮沢賢治を敬愛し、その教えを実践して農民の生活を豊かにしようと奮闘した新庄市出身の農村指導者・松田甚次郎(1909~43年)。その一生を描いた演劇作品「土に叫ぶ人 松田甚次郎―宮沢賢治を生きる」が27日、賢治の故郷・岩手県花巻市で上演される。新庄市の新庄演劇研究会(菅原文徳会長)の県外初公演。メンバーは「2人の思いと絆を伝え、両市交流のきっかけにしたい」と練習に励んでいる。

 甚次郎は稲舟村鳥越(現新庄市鳥越)の大地主の長男として生まれた。盛岡高等農林学校(現岩手大農学部)在学中の1927(昭和2)年、賢治の下を訪れ「小作人たれ」「農村劇をやれ」との言葉に感銘を受ける。故郷に戻り小作人として働きながら、仲間と農村劇を実践したほか、最上共働村塾や託児所を設けるなど、農村救済と女性の地位向上に生涯をささげた。また「宮沢賢治名作選」も出版し、賢治の名を世に広める一翼を担った。

 「土に叫ぶ人」は、最上共働村塾の活動を記録した甚次郎のベストセラー著書「土に叫ぶ」にちなんだタイトルで、詩人・劇作家の近江正人さん(67)=同市堀端町=が脚本と演出を手掛けている。賢治との出会いから病に倒れて34歳の若さで亡くなるまでを、甚次郎の妻睦子の目線で語った作品。2015、17年に市内で上演されている。

 同市職員有志による「新庄の種プロジェクト」(八鍬幸紀代表)が2年前から花巻公演を計画し準備を進め、同市の甚次郎没後75周年記念行事の一環として実現することになった。市内の演劇関係者や鳥越地区住民有志らが実行委員会を立ち上げ、山形新聞社などによるクラウドファンディング「山形サポート」で活動資金の一部を募っている。

 週3回ほど、20~70代の出演者やスタッフ27人が市民プラザで練習を続けている。近江さんが「新庄最上の若いパワーを伝えたい」という通り、出演者たちは渾身(こんしん)の力を込めて役になりきり、けいこ場は熱を帯び、雰囲気は本番さながら。今回は花巻市の協力で、現地の小学生15人ほどに合唱で参加してもらう予定だ。近江さんは「今回の公演を機に、同じ願いで結ばれた甚次郎と賢治のように地域同士の文化交流が生まれ、子どもたちの心がつながればうれしい」と話している。

 【メモ】花巻公演は27日午後2時から花巻市文化会館で、入場無料。山形サポートで募っている活動資金目標は50万円、募集は24日まで。問い合わせは、新庄の種プロジェクト代表の八鍬さん090(2607)3222。

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