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“最後の遣い手”伝統を後世に 山辺人形浄瑠璃、衣裳など町に寄贈

2018年12月05日 12:36
人形の首を操る阿部司朗さん。会場には寄贈された人形や舞台セットなどが並ぶ=山辺町
 山辺町の無形文化財「山辺人形浄瑠璃芝居」で用いた人形や衣装、舞台セットなどを紹介する企画展が山辺町ふるさと資料館で開かれている。国立劇場(東京)でも演じられたことがある同人形芝居の魅力を後世に残していきたいと今年、同芝居を知る最後の遣い手・阿部司朗さん(85)=山形市船町=ら関係者が町に寄贈。その貴重な芸術品を間近に見て魅力を感じることができる。

 同人形芝居は1887(明治20)年ごろ、現在の山形市船町に住んでいた阿部房治(芸名・西川房司)が創設した。2代目の阿部房太郎が1927(昭和2)年に同町に転居したことから「山辺人形芝居」と呼ばれるようになった。首と手、足に分かれている人形を一人遣いで演じ、首部分の目や眉、口まで動く精巧な仕掛けがあるのが特徴。三味線の伴奏で語られ、上演中に人形の相好が急変する「面落ち」などもあり、山辺ならではの工夫を凝らし、進化を遂げてきた。演目数は約30あり、人形は総数で約200体を数える。

 2代目のおいっ子にあたる司朗さんは中学生の時から、裏方として全国各地を回っていた。「最初は人形も触らせてもらえなかった。芸は見て覚えるものだった。人形同士の間合いを計るのが一番難しい」と振り返る。75(昭和50)年には国立劇場で東日本を代表する人形芝居として上演する機会にも恵まれた。

 2代目の死去以降は、司朗さんらが引き継いできたが、一緒に活動している弟の守さんが亡くなり、5年ほど前から公演はしていない。司朗さんら関係者は、伝統芸能を後世に残したいと、今春、芝居で用いていた人形など一式を町に寄贈することにした。今回、寄贈後、初めて同資料館で展示会が開かれることになった。司朗さんは「後継者がいないのは時代の流れでどうすることもできない。寄贈することができて肩の荷が下りた感じだ」と話す。

 会場には時代物「阿波鳴門」や世話物「壺坂霊験記」などの演目で用いていた人形や衣装のほか、舞台に飾る幕、人形の髪をすくために使用していた台、開幕を告げる拍子木、ポスターなども展示されている。22日まで。月曜休館。

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