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山形市~迫る中核市移行(上) 連携中枢都市圏の形成

2018年08月15日 11:10
 「中核市のビジョンがとても明確になっている」。総務省自治行政局の担当者は、中核市移行に関する山形市の資料を手に、こう述べた。市は中核市をゴールにせず、「強みを伸ばすきっかけ」と位置付ける。総務省のヒアリングでは、他都市との差別化策にしようとする意図が高い評価を受けた。

 2019年4月、山形市は現在の「特例市」から政令指定都市の次に位置する「中核市」に格上げとなる。実は03年にも中核市を目指す動きがあった。上山市、中山町、山辺町との合併が議論され、人口は当時の要件とされた「30万人」を超えるはずだったからだ。結果的に合併の破談で特例市のまま歩んだ。しかし、14年に国は要件を「20万人」に下げ、すかさず山形市は手を挙げた。

 総務省は全国の同規模の自治体に移行を働き掛けている。その意図は、進まない地方分権や加速する少子高齢化などへの対策にある。最大のポイントは中核市に許される「連携中枢都市圏」の形成。中核市が周辺自治体と都市機能を補完し合って、大都市圏への人口流出を防ぐ手だてを講じるよう促す狙いだ。

 山形市のケースでは、国の要綱に基づき最大6市6町でこの圏域を形成できる。同圏と接する政令指定都市・仙台市との関係性も各種施策展開の可能性を広げる。ヒアリングで総務省の担当者は「国と直接やりとりし、山形市が主体的に取り組んでもらいたい」と期待を込めた。

 財政的には特別交付税が山形市に年間約1億2千万円、協定を結ぶ市町村には上限1500万円が配分される。さらに▽経済成長のけん引▽高次の都市機能の集積・強化―を使途とする普通交付税も、圏域人口に応じて山形市に加算される。17年度の積算例では、枠組みが定住自立圏と同じ3市2町なら年約1億4900万円、最大の6市6町なら約1億6900万円と手厚い。事務レベルでは現在、12月に開設する「売上増進支援センターY―biz」などに財源を活用し、周辺自治体の経済活性化につなげようという案が浮上する。移行計画を起案してきた市の担当者は「県からの事務移譲で業者など個別、具体的に市の新たな事業に関わる人は出てくるが、最も多くの人が享受できるのは、この新たな財源確保というスケールメリットだろう」と語る。

 交通インフラ、産業クラスター形成、移住・定住、インバウンド(海外からの旅行)、子育て…。立ち遅れる諸課題に対し、現場レベルがどう力を合わせられるか。限られた財源を組み合わせてどう効果を上げるか。人口減少の中で地域社会を維持するための県都の“新生”が迫る。

 山形市は7日、国に中核市移行を申し出た。移行に向けた準備状況を追い、その意義を3回にわたって考える。
(報道部・進藤和美)

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