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石坂さん、山形で妻の闘病支え 研究、夫婦で二人三脚

2018年07月07日 11:07
山形大医学部で講演する石坂公成さん=2013年12月、山形市
山形大医学部で講演する石坂公成さん=2013年12月、山形市
 世界のアレルギー研究を飛躍的に進展させ、ノーベル賞候補に何度も挙がった山形大特別招聘(しょうへい)教授の石坂公成さんが6日、92歳の生涯を閉じた。同じく免疫学者だった山形市出身の妻照子さんと二人三脚で研究に励み、晩年は古里で闘病生活を送るその妻に寄り添い続けた。親交が深かった人々からは業績をたたえ、死を惜しむ声が漏れた。

 花粉症など多くのアレルギー症状の原因物質となる抗体「免疫グロブリンE」は、照子さんとの共同研究で発見し、大きな功績となった。実験で得た事実を信じ、積み上げる姿勢を貫き、自分や照子さんの腕や背中の皮膚に血清を注射し、抗体のデータを取ったという。

 照子さんは、国指定の難病で山形大医学部付属病院に20年近く入院している。石坂さんはほぼ毎日、愛妻の病室を訪れて長時間付き添い、せきやたんの状況を確認するなどしてきた。親交が深く、2人の様子を見守ってきた同大医学部参与の嘉山孝正さんは「誠実で奥さまへの愛情がとても強かった。人間的にも研究者としても素晴らしかった。巨星が落ちたとの思いだ」と語った。

 2016年には日本アレルギー学会開催の免疫グロブリンE発見50周年の記念シンポジウムが東京都内で開かれるなどし、ノーベル賞への期待も高まったが、実現はならなかった。数年前に大動脈瘤(りゅう)で一時入院し、6月には鎖骨を折って入院。血圧や呼吸の低下が見られ、6日朝に静かに息を引き取った。亡くなる直前まで論文の編集などに取り組むなど最後まで学問、研究に励んでいたという。

 「研究至上主義ではなく、大切にしたのは最終的に患者の治療に結び付くかどうか。医療のやり方が変わるような革新的なことに励めと言われた」。嘉山さんがかみしめた石坂さんの教えは、「金言」として後世に引き継がれる。

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