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地方議員なり手不足、厳しい現実 庄内町議選・定数割れ

2018年06月20日 08:51
庄内町議選の立候補を受け付ける町選管。定数16に対して届け出は15人のみで、定数割れとなった=19日、庄内町役場
庄内町議選の立候補を受け付ける町選管。定数16に対して届け出は15人のみで、定数割れとなった=19日、庄内町役場
 19日に告示され、平成以降、県内市町村議選で初めて定数割れとなった庄内町議選は、人口減を背景とする地方議員のなり手不足の現実を突きつけた。現職・新人計15人は有権者の審判を受けることなく次期町議に決定。町民からは無投票を嘆く声が上がり、「議員定数を減らすべきだ」といった厳しい意見も聞かれた。

 「選挙がないのは寂しい。地域で候補者を探す動きも減り、誰も町のことを考えていないのかと不安になる」。毎回投票に行っているという余目の無職女性(79)は首をかしげた。地方議会に詳しい川村一義山形大人文社会科学部准教授は「政治に興味がある若者はいるが、兼業への不安や議員活動の分かりにくさを理由に自分から名乗りを上げるのは難しい」と指摘。「現職議員は報酬増や会議の効率化といった改革と併せ、日ごろから活動をPRし、後継者発掘に取り組むべきだ」と提言した。

 余目の自営業男性(58)は「議員定数を減らして報酬を増やし、専門性の高い少数精鋭の議会にしてもいいのではないか」と話す。庄内町の議員定数16は、県内町村で最も多く、上山市の15を上回る。定数16の尾花沢市議会も、来年の選挙では2減の14とすることを決めた。

 庄内町は2005年に余目町と立川町が合併して誕生し、議員定数は両町の合計の36でスタート。その後、段階的に削減し、前回選を控えた13年に18から16に減らした。昨年も議論はしたものの、最終的には現状維持を決めた。

 原田真樹町長は今回の結果を受け「(前議長が昨年7月の町長選に出馬し)欠員1の状態でも約1年間、議会運営に支障はなかった。定数や報酬、新たな運営の在り方など、新議員には改革へ向けた積極的な提案を期待している」と投げ掛けた。

【解説】抜本的な改革必要
 議員のなり手不足は庄内町だけの問題ではない。来年の統一地方選に向け、県内の他の議会でも対策へ議論を進める必要がある。定数削減や報酬改善とともに議員活動の効率化を図るなど、抜本的な改革に取り組むことが求められる。

 今回の庄内町だけでなく、2015年の大石田町、昨年の真室川町など、県内の議会でも無投票当選は増えている。ただ、単純に定数を減らすだけでは、少数意見や地域の声が反映されない恐れがある。庄内町議会は自ら役割と権限、責務などを明確にする「議会基本条例」を県内で初めて08年に制定。活性化を目指して先進的な取り組みを進めてきた側面もある。

 それでも、告示1カ月前時点での立候補予定者は定数16に対して13人のみで、公選法の規定により、欠員補充の再選挙となる懸念すらあった。それは回避されたものの、まずはその庄内町で活発な議論が交わされ、県内の議会改革の先駆けとなることを期待したい。(酒田支社・吉村瑛人)

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