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ねじ穴の切削粉清掃、飛散なく 山形の「深瀬」が器具開発

2010年07月03日 20:40
ねじ穴に詰まった切削粉を周囲に飛散させずに清掃できる器具。噴射ノズルの周囲のカバーが吸引機能を持っているのが特徴
ねじ穴に詰まった切削粉を周囲に飛散させずに清掃できる器具。噴射ノズルの周囲のカバーが吸引機能を持っているのが特徴
 自動車部品などの精密加工を手掛ける深瀬(山形市、深瀬成一社長)は、ねじ穴などに詰まった切削粉を圧縮空気で吹き飛ばし、同時に吸い上げる器具を開発、販売を始めた。従来、吹き飛ばした切削粉は周囲に飛散して作業上の問題になっていたが、噴射ノズル周辺に独自の工夫を凝らすことで、切削中に発生した粉を瞬時に吸い上げ、一定方向へ飛ばすことを可能にした。社員4人の同社は、製造不況で受注に苦しみ、その間に製品開発に挑戦、下請けからの脱却を目指している。

 切削で発生した金属粉は、圧縮空気を吹き付けるエアガンで清掃するのが一般的。ただ、金属の表面の溝や貫通していないねじ穴などに粉が詰まったケースでは、細い噴射ノズルを中に差し込んで吹き飛ばす必要がある。この場合、切削粉が周囲に飛散するため作業員は防護用の衣服やマスクを装着しなければならず、さらに飛散した粉が清掃を終えた別の穴に入るなど非効率な作業となっている。

 深瀬が開発した器具の基本機能はエアガンと一緒ながら、噴射ノズルの周囲を覆う直径2センチほどの円筒カバーが飛散を防止している。圧縮空気を送り出す管の内部構造を二またに分けて気流を発生させることで、ノズルからは粉を吹き飛ばす空気が出る一方、円筒のカバーは周囲の空気を吸い上げるバキュームとなる。吸い上げた粉と空気はパイプを通って作業者の反対側へ飛ぶ仕組み。これにより、周囲を汚さずに狙った部分が清掃でき、作業者も軽装で臨めるという。

 開発はリーマンショック直後の約2年前にスタートした。深瀬社長は「2次、3次の下請けで仕事の減少は急激だった。経営を安定させるため初めて独自製品の開発に挑んだ」と話す。製品のヒントは、切削粉の清掃に苦労していた自らの経験から思い付いた。「家内工業で、自分と息子、もう一人の従業員の3人が技術者の会社。小さな挑戦だが、完成した製品は現場で大きく活躍するはず」と深瀬社長。県企業振興公社のアドバイスも受け、製品開発の中で特許申請中の技術も2件生まれた。機能を向上させた洗浄液を噴射できるタイプの器具も販売予定という。

 今回の製品の価格は1台1万2000円前後。村山地区の工具店のほか、近く自社ホームページ(http://fuka.co.jp/)でも販売する。
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