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「上杉本洛中洛外図」の音楽完成 屏風の世界表現、14日に米沢で演奏会

2010年03月13日 17:30
「上杉本洛中洛外図屏風」を題材にした曲作りに取り組んだ鈴木広志さん(右端)ら4人の演奏家。曲は14日のコンサートで初披露される=米沢市・伝国の杜置賜文化ホール
「上杉本洛中洛外図屏風」を題材にした曲作りに取り組んだ鈴木広志さん(右端)ら4人の演奏家。曲は14日のコンサートで初披露される=米沢市・伝国の杜置賜文化ホール
 米沢市上杉博物館が所蔵する「上杉本洛中洛外図屏風」を題材に、東京都の若手音楽家ら5人がそれぞれ作曲に取り組み、屏風の世界観を表現した5種類の曲が完成した。屏風の情景を曲に投影するという「全国でも例がない」(同館)試み。曲は14日に同市で開かれる演奏会「国宝上杉本洛中洛外図屏風を聴く」で披露される。

 上杉本洛中洛外図屏風は、安土桃山時代を代表する画家狩野永徳筆と伝わる六曲一双の屏風。1574(天正2)年、織田信長が上杉謙信に贈ったとされ、米沢藩上杉家に伝来したことから「上杉本」と呼ばれる。金箔(きんぱく)をふんだんに使い、16世紀半ばの京都を描写。1989年に上杉家から市に寄贈され、95年に国宝になった。

 作曲したのは、東京都のサクソホン奏者鈴木広志さん(30)、ピアニスト大口俊輔さん(29)、コントラバス奏者東保光さん(39)、打楽器奏者小林武文さん(37)の演奏家4人と、宮城県の作曲家大場陽子さん(35)。企画した上杉博物館の依頼を受け昨年4月に同館を訪れ、学芸員のレクチャーを受けながら屏風を鑑賞。イメージを膨らませた後、それぞれ自分の感性を取り入れて作曲に取り組んだ。

 自分を屏風の世界の中に取り込み、そこから見える情景を描いた人もいれば、時代背景を調べず、純粋に第一印象を曲に生かした人もおり、アプローチ方法はさまざま。曲はそれぞれジャズ、クラシック、ポップスといった分類が難しいが、どこか雅楽を思わせる優雅な曲調だ。その調べを聞くと、当時の情景を思い浮かべることができ、屏風の重厚な歴史観を“耳で楽しむ”ことができる。

 大口さんは「西洋文化を感じ、曲には洋楽の要素も入ったと思う」と話し、小林さんは「屏風の世界はまるで天国のよう。動と静をうまく表現できた」と作曲活動を振り返った。リーダーとして演奏会に臨む鈴木さんは「同じ屏風を見た5人がそれぞれ違う曲を作った。面白い演奏会になる。ぜひ会場に足を運んでほしい」と呼び掛けた。

 演奏会は14日午後2時から、米沢市の伝国の杜置賜文化ホールで開かれる。鈴木さんら演奏家4人が楽器を奏でる。前売り券は伝国の杜のほか市内各プレイガイドで取り扱っており、指定席は3000円、自由席は一般が2500円、学生1500円(当日各500円増)。5人の曲を収録したCDも2000円で販売する。問い合わせは伝国の杜0238(26)2666。
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