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証人尋問で男性裁判員が初質問 県内初の裁判員裁判・2日目

2009年12月01日 15:02
2日目も傍聴券を求める人たちが並び、配布される抽選券を受け取った=1日午前9時11分、山形地裁
2日目も傍聴券を求める人たちが並び、配布される抽選券を受け取った=1日午前9時11分、山形地裁
 県内初の裁判員裁判は1日午前、山形地裁(伊東顕裁判長)で2日目の公判が始まった。山形市志戸田で今年7月、自宅に放火したとして現住建造物等放火の罪に問われた無職遠藤久被告(78)の妻の証人尋問を行い、山形地裁の法廷で初めて、裁判員が質問した。男性の裁判員は「近隣の人たちからの風当たりは」などと聞き、事件前後で遠藤被告の家族と近隣住民との関係に変化があったのかをただした。

 検察側、被告側の双方の質問が終わった後、伊東裁判長が「何か質問はありませんか」と裁判員にうながした。裁判員の男性1人が、着席のまま質問していいのかを確認した後、「火事の後、近隣の人たちからの風当たりが強くなったり、嫌みを言われたりしたことはないですか」と質問した。妻は「ありません」と答えた。

 妻に対する証人尋問で、裁判員たちは証言内容のメモを取り、熱心に耳を傾けた。時折、ハンカチで目元をふきながら証言する妻の様子に、表情を曇らせる裁判員も。

 事件後、妻と娘はアパートを借りて2人で生活している。処罰感情を問われた妻が「(遠藤被告が)かわいそうで、早く一緒に住みたい」と語ると、女性裁判員は悲しむような表情を見せた。

 遠藤被告は心疾患の手術を受けるなどして、今年4月下旬に医療機関を退院。事件当時まで自宅療養を続けていた。妻は、入院前と退院後の遠藤被告の変化について、テレビや新聞を見なくなり、食欲もなくなったと説明。「(遠藤被告は)何もできなくなった、みんなに迷惑をかけて悪いな、と何度も言っていた」と証言した。

 さらに、妻は、遠藤被告が退院後、それまで大切にしていた盆栽やコイを人にあげたと証言。検察側から、事件前に自殺を示唆する言動があったのかを問われ、妻は「事件の1週間ほど前、線路に連れて行ってくれ、と頼まれた」と続けた。

 一方、事件当時、玄関付近にいた遠藤被告の手を引いて避難した後、遠藤被告は道路がある西側ではなく、側溝(高さ約2メートル)が通っている東側に向かったと説明。検察側が「(遠藤被告が)飛び降りて死のうとしたと思ったのか」と聞き、妻は「そう思った」と語った。

 起訴状によると、遠藤被告は今年7月17日午後11時55分ごろ、自宅1階客間に灯油をまき、紙片にマッチで火を付けて放火し、木造2階建て約134平方メートルを全焼させたとしている。

傍聴希望343人並ぶ、倍率は低下
 県内初の裁判員裁判第2回公判の1日も、山形地裁には、マスコミ関係者ら傍聴希望者が大勢詰め掛けた。傍聴券27枚に対し、343人が列をつくり、倍率は約12.7倍。前日の約15.5倍より低かった。

 午前9時10分から、前日と同様、通し番号を記した抽選券が配られ、山形地裁がパソコンで当選番号をランダムに抽出。ホワイトボードに書き込んだ。

 抽選結果を待っていた山形市城西町3丁目の小原ヒサさん(72)は「以前から裁判員裁判に関心を持っていた。新しい裁判制度を自分で見て、同居する息子夫婦や孫に伝えられれば」と話した。

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