東日本大震災

津波で流されなかった木造施設 シェルター(山形)のKES構法

2011年05月07日
震災後の北上総合支所。右側のコンクリート造りの部分は壊れたが、KES構法を用いた左側の事務棟の構造体は残った=宮城県石巻市
震災後の北上総合支所。右側のコンクリート造りの部分は壊れたが、KES構法を用いた左側の事務棟の構造体は残った=宮城県石巻市
 住宅建築などのシェルター(山形市、木村一義社長)の特許構法「KES構法」が注目を集めている。東日本大震災で太平洋沿岸部の多くの建物が津波にのみ込まれた中、この構法を用いた木造の公共施設は流されなかったからだ。また今回と岩手・宮城内陸地震(2008年)の2度の地震に耐えた施設もあった。構造体は、阪神・淡路大震災(1995年)の時に耐震性能を示しており、あらためて強度を実証した格好。木村社長は「構法によって木造でも鉄骨やコンクリートに劣らないことを証明できた」と話している。

 津波に耐えたのは、宮城県の北上総合支所(石巻市)と歌津公民館(南三陸町)。いずれも水没するほどの津波に襲われたとみられる。同社によると、北上川の河口近くに位置する同支所はコンクリートの体育館などは基礎から破壊されたが、同構法を用いた2階建ての事務棟は構造体が残った。同じ2階建ての歌津公民館も周囲の建物が津波にのまれた中、構造体に被害がなかったという。

 木造建築で接続金物を使い柱や梁(はり)を結合する同構法。柱となる木材にコネクターを設置し梁を接合して固定、柱や梁をほとんど削ることなく接合できるため従来の軸組工法と比べて格段に強い強度が特徴だ。柱と基礎部分をコネクターを用いて接合していたことで津波に耐えたという。

 また岩手・宮城内陸地震で震度6強、東日本大震災で震度7を観測した宮城県栗原市では、同構法を用いた栗駒総合支所が無傷で現地災害対策本部になるなど、耐震性能の高さも証明した。

 阪神・淡路大震災では約10万5000棟もの建物が全壊した中、同構法を用いた神戸市中心部などの住宅73棟がほぼ無傷で残った。今回は地震に加え津波被害にも耐え、木村社長は「あらためてこの構法に自信を持った。今後も木造の良さを広く伝えていきたい」と話している。
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