東日本大震災

池田章子さん「できることを長く」 県ゆかりの著名人・やまがたを思う[11]

2011年04月17日
池田章子さん=東京都中央区のブルドックソース本社
池田章子さん=東京都中央区のブルドックソース本社
 -今回の大震災をどう受け止めているか。

 「亡くなった方々のことや被災者の悲しみの深さ、不安の重さを考えると、言葉をなくしてしまう。あまりの災害の大きさに何ができるのかと自分に問い掛けている。特にわが社のソースは長い間、東北の人に広く愛用していただいている。犠牲になった方の食事の風景などが目に浮かび、胸が詰まる」

 -多くの人が生活の場を失った。

 「経済は人々の暮らしのためにあり、人々の生活を基盤にして成り立つと強く思っている。食品も薬品も、自動車なども、あらゆる産業は一人一人の日々の暮らしを幸福にするためのもの。経済復興は、その暮らしを立て直すことだと思う。ソースでつながっている皆さんと、東北人の1人として、日本人として共に歩いていくことが大切と考えている」

 -被災者の様子をみてどう感じているか。

 「無事だった皆さんの様子をニュースで見ていると、生きていることを、とてもしっかり受け止めているように思えた。涙も流したでしょうし、怒りや不満をどこに持っていっていいのか、という思いもあるでしょう。でも、その人たちからは自分たちが生きて『町を再び』『生活の場所をもう一度』といった人間としての使命感のようなすごい力を感じた」

 -特に印象的だったことは。

 「家族が行方不明になり、家も津波で流された若い女性が、入社式で『この地で頑張る』と決意を述べていた。そのような若い人が日本にはまだまだたくさんいるということ。未来に向けて歩きはじめる方々の生きるという思いに尊厳さを感じた」

 -山形県内でも避難者を受け入れている。

 「山形県人としてとてもうれしいし、誇りに思う。山形の人は人情が厚いので、親身になってやってくださっているでしょう。ありがたく思う」

 -被災地に入り、会社として炊き出しの支援をしていると聞く。

 「仙台支店員や本社の社員が自発的に被災地や避難所に出向き、焼きそばやお好み焼き、芋煮などを提供させていただいている。被災した方々の中には、お礼にと配給のパンを手に社員に差し入れをしてくださる方もいたと聞き、涙ぐんでしまった。社員も自分たちが逆に励まされたと感謝している。これからも、ささやかでもいいから一人一人ができることを長く続けることが、とても大切なことではないでしょうか。企業としても個人としても」

 ▽いけだ・しょうこさん ブルドックソース社長。1944年遊佐町生まれ。酒田西高から実践女子短大を経て64年に同社に入社。取締役経営企画室長、常務マーケティング室担当などを経て2000年に社長に。上場企業で、創業一族以外から女性がトップに就いた例は少ない。県総合政策審議会委員や山形大経営協議会委員も務めた。
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