東日本大震災

ダニエル・カールさん「デマは侮辱と一緒だ」 県ゆかりの著名人・やまがたを思う[8]

2011年04月14日
 -震災発生直後からツイッターやブログを使い、英語で在日外国人に向けた情報を発信している。

 「大きな災害が起きた後にまず必要となるのは衣食住(のサポート)。次に正しい情報。情報がないと人は不安でパニックになり、2次被害につながる。それを抑えるためにライフラインをはじめさまざまな情報を流し続けた」

 -震災や原発事故に対する周囲の外国人の反応は。

 「みんながパニック状態になったことが何度かあって、その時は電話が何十本もかかってきた。『東京にも津波は来るのか?』『水はもう飲めないのか?』。アメリカ政府が福島第1原発の半径80キロ圏内に住む米国民に避難を勧告した時も、日本政府の指示した避難範囲(半径20キロ圏内は避難、20~30キロ圏内は屋内退避)との違いに『日本の政府はいいかげんだ』とパニックに。国によって避難設定の仕方が違うためだと説明するのに一晩中かかった」

 -動画サイトでは、海外メディアに向けて、不安をあおる報道をやめてほしいと英語で訴えている。

 「なぜ外国人がパニックになるのか。理由は、日本のニュースと、海外メディアが発信する情報のギャップが大きすぎるからだ。在日外国人の多くが見ているテレビ番組の中には、北日本の大部分が放射線で汚染されているとか、根拠もなくセンセーショナルに報じているものもある」

 -批判的な視点も必要では。

 「おらだって日本の政府を100%信用しているわけではない。でも、今一番情報が集まって物事を決定しているのは政府。もちろん政府も人間でつくる組織だから、戸惑うしミスもする。ただこんな時期に人々の不信感ばかり募らせてどうするのか。誰も政府の言うことを聞かなくなったら、一番大変な状況になるのは被災地の東北だ」

 -山形、東北への思いが行動や発言の根底にある。

 「デマは侮辱と一緒。一度も東北に来たことのない関西の人たちが、山形のサクランボやだだちゃ豆を買わなくなるかもしれない。今年は西日本を回らなくちゃ、と思っている。山形の物産展で安全性をアピールできたらいい」

 -情報を受ける側に必要な心構えは。

 「どんなニュースもうのみにしない。背景を勉強する。特に原発の話は難しい。おらもここしばらくずっと勉強している」

 -東京から1人、車で被災地に向かったと聞く。

 「3日にわたって福島県の南相馬市、双葉町、浪江町、宮城県多賀城市、それに米沢市、山形市を回って避難者の話を聞いた。中には避難者になったことをしょうしい(米沢弁で「恥ずかしい」)と思っている人もいた。新しい人生を再びスタートさせるには気持ちのサポートも必要。山形の人たちは、積極的に優しさを示してほしい」

 ▽ダニエル・カールさん 山形弁研究家・タレント。1960年米カリフォルニア州生まれ。パシフィック大卒業後、文部省(現文部科学省)の英語指導主事助手として、本県で3年間英語を指導。その後東京に翻訳・通訳会社を設立、司会やコメンテーターとしても活躍する。おいしい山形大使、おしょうしな観光大使(米沢市)。
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