東日本大震災

渡辺えりさん「今こそ都会が恩返し」 県ゆかりの著名人・やまがたを思う[6]

2011年04月12日
 -先週、東日本大震災後初めて山形に帰ったそうだが。

 「山形空港があってよかった。これを機会に東京便は常に3本程度飛ばしてほしい。復興まで先が長いので、物資を運ぶ拠点とすべきだ。(帰県後、避難所の)山形市総合スポーツセンターに行こうと考えたが、ただ様子を見に行くだけでは申し訳ないと思った。今、どのような支援ができるか考えているところ。運動靴などがないと聞いたので、山形の友人に事情を聴いてもらっている。公演終了後、また山形に帰るつもりだが、次に避難所に行く際に支援物資を持っていきたい」

 -詩人・彫刻家高村光太郎の半生をテーマにした「月にぬれた手」という戯曲を書き、3月に公演した。

 「偶然、東北の話。その戯曲を書く際の資料を送ってもらった方が震災で亡くなってしまった。劇中で東京の人が『福島なんか日本じゃない』と話す場面をわざとつくった。福島の原発事故を考えると、あらためて東北は中央の犠牲になっていると思う。憤りも感じる。お金を出せばいいという話ではない」

 -震災後、自身の創作に対する考え方にも変化があったのでは。

 「あらためて東北を中心とした芝居を作りたい。一層強くそう思うようになった。今こそ、都会の人から東北に恩返しをしてもらいたいし、力を合わせて支援してもらいたい。震災で原発が絶対大丈夫ではないことが分かったし、東北はすごいリスクをかぶっている。(電気を使いたいなら)『東京に造りなさい』というぐらいの発言を東北の人はしても良いと思う」

 -古里の山形県は、多くの被災者を受け入れている。

 「県民の我慢強さと真面目さ、優しさが今、東北にとって必要とされる時だ。こういう時だからこそ、被災者が無料で温泉に入れるようにしてほしい。その際、旅館がつぶれないように、義援金を活用するような仕組みはできないのか。山形は東北のオアシスになれる。福島は風評被害もあって、旅館もつぶれてしまうかもしれない。そうした人たちの雇用も考えなくてはならない。温泉をアピールし、これまで以上に他県から来てもらう取り組みが必要だ」

 -定住策も大事になる。

 「山形には土地が多くあるので、一つの村をつくったらどうか。廃校になった校舎や山間部の廃屋を活用し、畑も耕して生活をしてもらうような施策を県が窓口になって取り組んでほしい。明治時代に北海道を開拓したように、特別なことではない。長い目で見た施策を考えるべきだ」

 わたなべ・えりさん 劇作家・女優。1955年山形市生まれ。舞台のほか、テレビや映画で幅広く活躍している。公演中の舞台「トップ・ガールズ」は24日まで東京のBunkamuraシアターコクーン。渡辺さんが作・演出・出演のオフィス3○○音楽劇「ゲゲゲのげ-逢魔が時に揺れるブランコ」は8月1~23日、東京の座・高円寺で上演される。
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