東日本大震災

県内へ2200人超が避難 県境越えたどり着き、笑顔と不安と

2011年03月17日
福島県から避難してきて、ようやくひと息ついた家族=山形市総合スポーツセンター
福島県から避難してきて、ようやくひと息ついた家族=山形市総合スポーツセンター
 東日本大震災に伴う他県から県内への避難者数が16日午後5時現在、2200人を超えたことが山形新聞の調べで分かった。このうち、置賜地方の避難所は既にほとんどが満員状態。県は同日、災害対策本部の中に避難者の増加に対応する専門部署を設置することを決めた。

 山形新聞の集計で、県内各市町村の避難所に収容されている人数は午後5時現在、2235人。特に米沢、山形両市の避難者数が多い。米沢市は市営体育館アリーナ、同合宿所、置賜総合文化センターの3カ所に585人を収容。さらに避難所に入れない人も多いため、別の避難場所の確保も検討するという。480人が避難している山形市は、山形まなび館に加え、15日夜から市総合スポーツセンターでの受け入れを開始した。

 福島第1原発のトラブルで、福島県から置賜地方への避難者は増え続けている。県置賜総合支庁のまとめでは午後4時45分現在、管内市町が開設した18避難所のうち8カ所が満員となり、人数は約1500人の収容能力の8割強となる約1300人に達した。このため同支庁は、管内各市町にさらなる受け入れを要請した。

 県は災害対策本部の中に、県外からの避難者について対応する専門部署の開設を決め、17日から稼働させることにした。一方、特定の避難所に人が集中するのを防ぐため、県内4総合支庁を窓口とし、最寄りの適切な避難所を紹介している。

【山形】住民がみそ汁やお菓子差し入れ
 山形市総合スポーツセンターには、家族連れが次々と訪れた。体育館には整然とマットが敷かれ、暖房も入って温か。授乳が必要な子どものいる家族は畳の柔道場に案内された。コンセントや固定電話も複数設置されており、避難者は、貸し出された毛布にくるまって横になったり、新聞を眺めたりしていた。希望者には簡易の放射線検査も実施。一般住民から時折、みそ汁や菓子の差し入れもあり、子どもたちがうれしそうに駆け寄っていた。

【東根】フラフープなど楽しむ子どもも
 東根市が15日に開放した市民体育館には、福島県などから避難してきた家族連れら約100人が身を寄せている。疲れた表情で体を休める人が目立つが、フラフープを使ったり、隠れんぼなどをして遊ぶ子どもたちの姿も。福島県浪江町から避難してきた会社員桜田昌彦さん(54)は「館内は暖かく、助かっている」と感謝する一方、「ガソリン不足が一番困る。これから、どうやって移動すればいいのか」と話し、表情を曇らせた。

【置賜】収容限界となる自治体も
 福島県からの避難者の列は16日も途切れることなく続き、置賜地方では避難所の受け入れ能力を超えた自治体が出始めた。県境を越えたものの落ち着く先が見つからずさらなる流浪を強いられる避難者も。深刻なガソリン不足のため自力では避難所に行き着けないという事態も生じている。

福島県からの避難者を受け入れている米沢市営体育館。子どもたちは笑顔で炊きだしの夕食を味わった=16日午後6時30分
福島県からの避難者を受け入れている米沢市営体育館。子どもたちは笑顔で炊きだしの夕食を味わった=16日午後6時30分
 早い段階から避難者の受け入れに対応してきた米沢市は同日午前9時の時点で計585人となり、市営体育館など3避難所の収容能力を超過。新規の受け入れを停止し、県置賜総合支庁を通じて近隣市町を案内した。「体育館は限界だが、受け入れたい気持ちはある」と担当者。別の施設の活用も検討しはじめた。

 2施設で対応している川西町も昼すぎに65人となり受け入れが限界となった。事前の想定は50~60人。3カ所目の開設も検討したが「対応するマンパワーが足りない」(町担当者)状況だ。

 県置賜総合支庁が避難相談窓口を設けて避難所を割り振っているが、各市町の避難所を直接訪れて満員であることを知らされる人もいる。福島市から子ども2人を連れて避難してきた女性(38)はラジオで存在を知った川西町の避難所を訪ね、米沢市の置賜総合支庁に戻り、結局飯豊町を紹介された。この女性はガソリンに余裕があり飯豊に向かったが、ぎりぎりの状態で米沢にたどり着いている人がほとんど。総合支庁の駐車場で燃料が底を突いたため、職員が避難所に車で送っていったケースもあった。「ガソリンが少なくなっている人は多く、できるだけ置賜管内で紹介したいのだが…」と総合支庁職員。避難所の適切な割り振りにとっても燃焼不足が大きな障害になっている。

 開設している避難所は次の通り。

 ◇山形市=山形まなび館、市厚生会館、市総合スポーツセンター◇上山市=市体育文化センター、市生涯学習センター◇天童市=市総合福祉センター、市総合スポーツセンター◇寒河江市=市体育館合宿所、勤労青少年ホーム◇村山市=市民体育館◇東根市=市民体育館◇山辺町=玉虫湖畔荘、旧作谷沢保育所◇西川町=西川交流センターあいべ◇大江町=町健康温泉館◇新庄市=東山スポーツハウス◇最上町=町立中央公民館、大堀地区公民館◇戸沢村=村いきいきランド「ぽんぽ館」◇米沢市=市営体育館アリーナ、同合宿所、置賜総合文化センター◇南陽市=旧中川中学校◇高畠町=町中央公民館◇川西町=農業改善センター、生きがい交流館、中央公民館◇小国町=旧小玉川小中学校◇飯豊町=東部公民館、白椿公民館◇鶴岡市=ほのかたらのきだい、羽黒農村改善センター◇県有施設=農業大学校短期研修施設緑風館(新庄市)職員育成センター(山形市)飯豊少年自然の家(飯豊町)

 問い合わせは各総合支庁。電話番号は村山023(621)8117、最上0233(29)1209、置賜0238(26)6007、庄内0235(66)5419。
東日本大震災 記事一覧
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] 
文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内8市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

毎週木、金曜日配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2019年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2019年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から