東日本大震災

県内関係者、仕入れに懸念 供給維持へ知恵絞る

2011年03月13日
停電のため、屋外や入り口付近に特設コーナーが設けられた。食料品などを求める市民が行列を作った=12日午前10時54分、山形市・コープしろにし
停電のため、屋外や入り口付近に特設コーナーが設けられた。食料品などを求める市民が行列を作った=12日午前10時54分、山形市・コープしろにし
 東日本大震災は、漁港や石油基地が集中する太平洋側沿岸部に壊滅的な被害を与えた。本県の場合、石油や水産物の多くを今回の被害地域から仕入れているだけに市場やガソリンスタンドの関係者は、「次に商品が入って来るめどが立たない」と懸念し、今後、新たな仕入れルートを確保するなどの対応が急務となっている。

 山新石油(山形市)の粟野政司社長は「仕入れ先の宮城・塩釜のコンビナートが被災して機能不全になり、次の仕入れが不透明になっている」と話す。次の仕入れは15日の予定だが、コンビナートと連絡がとれない状況で「新たな仕入れがなければ見通しは立たない」と表情を曇らせた。遠藤商事(同)も通常仕入れている塩釜ルートのほか、非常時には酒田や郡山からのルートも使うが、地震の影響で、現状では、どのルートからも仕入れることはできないという。

 食品流通への影響も甚大だ。鮮魚の約7割が福島県いわきや相馬、岩手県宮古などから入荷している山形市公設地方卸売市場。主要港が壊滅的な被害を受け、物流もストップした。「30年以上市場にいるが、こんな経験はない」と山形中央水産の長谷川義則営業第一部長。「被災した産地とは連絡も取れない」という。東北各県が太平洋の漁港に頼っていたため、ほかの地域から入荷しようとしても、数量を確保できず、価格も高騰する可能性もあるという。
 仕入れの見通しに不透明感が漂う中、消費者は生活防衛のために殺到し、売り手は供給維持のため知恵を絞る。関係者の姿を追った。

 山形市の山新石油緑町給油所と県庁前給油所は復旧を受け、12日午前8時半から営業を再開した。県庁前には一時500メートル以上の車列ができ、社員は次々と入ってくる車の対応に追われた。

 遠藤商事は県内26店舗のうち山形市の落合スポーツセンター前SSでのみ営業。現金2000円分または給油カード20リットル分の限定販売とした。

 一方、停電がなかった米沢市では、ガソリンを求めて市外からたくさんのドライバーが駆け付け、ほとんどのスタンドで早くも完売状態。5~10リットルの極端な給油制限をしながら底をつき、臨時休業にしている店も多い。

 米沢商工会議所はこの事態に対応するため12日、自然災害では初めてとなる対策本部を設置し、会員事業所などを通じて情報収集に当たった。ガソリンが近日中に入荷するめどは立っておらず、酒井彰会頭は「物があると思って今後も大勢が来てパニックになるのが怖い。問題が長期化することを念頭に置いた対応が必要だ」と国レベルでの対策の必要性を強調した。

 停電被害を受けなかった鶴岡市では、酒田市からやって来る人も多く、給油所はどこも大混雑。従業員は「こんな混雑は値上げ直前の時のよう。でも次のタンクローリーが入るめどが立っていない」と販売制限をしても追いつかない状況に、あきらめ顔だ。

 生鮮食材はどうか。スーパーでは冷蔵・冷凍機器が停電で低温を保てず、店頭から魚や肉が姿を消した。山形市城西町5丁目のコープしろにしは12日、臨時売り場を設け限定営業。陳列商品に肉などはなかったが、乾電池やガスボンベ、カイロなどを求め、長い列ができた。

 同市五十鈴2丁目のおーばん山形東店は、やむなく生鮮食品や冷凍食品を廃棄した。停電による被害金額は数千万円に上る可能性もあるという。岩山春男店長は「商品が入ってくる状況じゃない。明日のことは分からない」。男性客(67)は「肉も魚も買えずに残念だ」と言い、インスタントラーメンを買い込んでいた。
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