連載企画

飯豊連峰縦走

■主峰2座、頂に立つ<第2日> 後半、山の「ごほうび」
2010年07月28日 掲載
御西小屋から飯豊山(中央左)に向かう途中、雪渓と山並みが広がり、取材班を感激させた=午後3時7分
御西小屋から飯豊山(中央左)に向かう途中、雪渓と山並みが広がり、取材班を感激させた=午後3時7分
 山形新聞の飯豊連峰縦走取材班は27日、飯豊山(2105メートル)と大日岳(2128メートル)の頂上を極めた。

 楽しみは、後半に待っていた。

真っ青な空をバックに飯豊山の頂上に立つ=27日午後4時2分
真っ青な空をバックに飯豊山の頂上に立つ=27日午後4時2分
 飯豊連峰縦走第2日の27日、一行は標高2105メートルの飯豊山、2128メートルの大日岳と、連峰第1、2位の頂上を踏んだ。ただし、いずれも強風と霧の中。それでも、大日岳からこの日泊まる本山小屋に戻るまでの間、山はわれわれにごほうびを与えてくれるかのように、雄大な全容を惜しげもなく見せてくれた。

飯豊連峰の最高峰・大日岳の頂上を目指し、急な岩場を登る=27日午後0時42分
飯豊連峰の最高峰・大日岳の頂上を目指し、急な岩場を登る=27日午後0時42分
 この日のルートはまず、切合小屋から本山小屋。続いて飯豊山、御西岳、御西小屋と主稜線(りょうせん)をたどり、そこから南に進路を変えて大日岳に向かい、再び本山小屋に戻った。切合小屋ではまだ日の出を見ることができる天候だったが、その後はずっと悪コンディション。雨こそ降らなかったが周りは見えず、体のバランスを崩しそうな強風の中を歩く羽目になった。時折、目指す山容がちらりと姿をのぞかせるもののすぐに雲の中に隠れ、何とも欲求不満。

 斎藤茂吉(上山市出身)の弟子結城哀草果(山形市出身)は、山を愛した歌人として知られる。1951(昭和26)年8月、哀草果と弟子たちは5日間の日程で飯豊連峰を縦走した。飯豊山と御西岳の間、春先の積雪が40メートルにも達するという御鏡雪(みかがみゆき)の雪渓で、哀草果は次のような歌を詠んでいる。

・8月14日の太陽越後にかたむきてチングルマの花みな西を向く

 大日岳からの帰途、御鏡雪周辺でわれわれを迎えてくれたのは一面の黄色。ニッコウキスゲの大群落だった。ほかにも紫のハクサンフウロ、ヨツバシオガマ、白いコバイケイソウ、ハクサンボウフウなどが咲き乱れ、視線の先には一行が前日から歩いてきた切合小屋、草履(ぞうり)塚、本山小屋、飯豊山が一望できる。後ろを振り返れば、先ほど登ったばかりの大日岳をはじめ、これから向かう北股岳、連峰最北端の●差岳までが視界に飛び込んできた。

 メンバーの増田光秀さん(36)=林業、小国町=は7月22、23日、ニッコウキスゲで有名な福島県の尾瀬に行ってきたという。その増田さんが思わず漏らした。「飯豊のニッコウキスゲの黄色は、尾瀬より鮮やか」。飯豊連峰の山行が今回で6回目になる増田さんにとっても「こんな飯豊は見たことない」。一行は今回、かなりついているのかもしれない。
(飯豊連峰縦走取材班)

●は木ヘンに八

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