連載企画
月山・夏変化■眺望〜心打つ荘厳さ <第1日>
2009年07月28日 掲載
肘折口から雨の中を歩き、約5時間半かけて到着した念仏ケ原避難小屋=27日午後2時20分
肘折ルートは、登山口から山頂まで17キロ。月山のほかのルートに比べると、格段に長い。だから、あまり入山者もいないのだろうか。所々、狭く歩きにくい部分がある。でも、きちんと下刈りされており、地元の人たちがこのルートを大切にしていこうという気持ちが伝わってくる。 避難小屋の手前、小岳に着くころには樹林帯を抜け、眺望が開けた。右手に月山、左手に葉山。雪渓を残す月山は、頂が雨雲に隠れている。森敦の小説「月山」の一節が頭をよぎった。主人公が「肘折の渓谷にわけ入」った時に、見た光景だ。「彼方(かなた)に白く輝くまどかな山があり、この世ならぬ月の出を目のあたりにしたよう」。はるかにかすむ月山は、確かに「この世ならぬ」荘厳さで、見る者の心を打つ。 この日は、ほかの登山客には全く会うことがなかった。念仏ケ原避難小屋も貸し切り状態。今回食料計画を立てた元山形大ワンダーフォーゲル部主将の金野伸さん(24)=小国町、林業=が、米沢市から買い込んできた義経焼(ジンギスカン)を焼く香ばしい香りが、辺りに漂った。 (月山踏破取材班=報道部・鈴木雅史、堀川貴志) 月山・夏変化 記事一覧
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