山形にフル規格新幹線を

4県知事・副知事シンポから(上) チーム組織し議論深め

2017年02月14日
フル規格の奥羽・羽越新幹線を目指し、シンポジウムで沿線県の知事、副知事が実現への道筋などを議論した=11日、山形市
フル規格の奥羽・羽越新幹線を目指し、シンポジウムで沿線県の知事、副知事が実現への道筋などを議論した=11日、山形市
 奥羽、羽越両新幹線のフル規格整備を目指し、沿線の山形、秋田、福島、新潟4県の知事、副知事が意見交換したシンポジウムが11日、山形市で開かれた。4人は連携強化を確認し、フル規格新幹線がもたらす効果を展望。開通への期待、実現に向けた道筋などを語り合った。シンポジウムを詳報する。

 4人は(1)地域課題と両新幹線の必要性(2)整備への期待(3)実現に向けた方策―をテーマに意見を交わした。

 政府は2017年度予算案で、幹線鉄道の高速化に関する調査などの経費として2億8千万円を計上。16年度の2.8倍で、構想段階にある新幹線の「基本計画路線」を含め、地方の鉄道の高速化の可能性を探る。こうした動きにシンポジウムでは、両新幹線の「整備計画」格上げに向けて「ここ1、2年が勝負」との危機感も漂った。

 今回の収穫は、両新幹線整備促進に対する熱意を共有し、推進活動を強力に展開するとした沿線県の意思統一。そして、両新幹線の開通が新潟県を含む東北エリアにもたらす恩恵と、その効果を引き出す方策の議論を沿線県全体で始める契機になったことだ。

 昨年5月に行政機関、経済界などによる“オール山形”の同盟組織を設立した吉村美栄子知事は「沿線県が連携し、作戦を、戦略を練って(政府、JR東日本に)働き掛ける方がいい」と話し、市町村や地域単位での推進組織の立ち上げが重要だと指摘。経済界、若い世代を含め、重層的、波状的な要望活動の必要性を強調した。

 「さまざまな面で要望、要請をし、声を大きくすることが大事」と佐竹敬久秋田県知事は同調した。その上で要望活動に終始するのではなく、沿線県でプロジェクトチームをつくり、専門家の意見を踏まえながら整備手法やルート圏の将来ビジョンを政府、JR東日本に示す「東北方式」を提案。「単にやれと言っても簡単にはいかない。われわれも理論武装し、勉強して」と説いた。

 畠利行福島県副知事は、東北全体の将来を見据えた広域的な取り組み、民間も含めた推進活動の必要性を強調。寺田吉道新潟県副知事も「潜在的なニーズ、可能性を力強く、賢く訴えることが重要だ」と述べた。福島―秋田間に“横ぐし”を差し込む奥羽新幹線は東北新幹線と羽越新幹線を結ぶ路線で、富山―青森間の羽越新幹線は日本海側を南北に縦走する。東京へのアクセスだけではなく、東北と西日本との結び付きを強める点でも重要な基幹路線だ。

 畠副知事は「日本海側と太平洋側とを結び、新潟県を含む東北エリアが新幹線でループ状につながる」と表現し、実現に期待を込めた。寺田副知事は、北陸新幹線開業によって関西圏からの新しい人の流れが生まれている現状も紹介した。この上で新潟駅での上越新幹線、羽越本線の同一ホーム化に触れ「新潟から山形、秋田、福島へとつなげたい。実績を積み上げ、将来に可能性があることの証左を示したい」と話した。

 新幹線と在来線が相互乗り入れする「新幹線直行特急」は山形、秋田の両新幹線の2例。ともに両県の高速交通時代の扉を開いたが、国内移動の高速化で時間的な優位性は薄れ、運休や遅延といった安定性の課題を抱える。人口減少が加速する中、吉村知事は山形新幹線の時間的優位性は失われつつあるとし「今のままでは、との危機感がある。やまがた創生のためにも、一日も早い実現が必要不可欠」と訴えた。佐竹知事は「地方創生はヒト、モノの流動性を高めることが一番。黙っていれば置いていかれる」と語った。

シンポジウム「奥羽・羽越新幹線の早期実現に向けて」 県奥羽・羽越新幹線整備実現同盟など4同盟組織が主催し、基調講演とパネル討議を行った。パネル討議では吉村美栄子山形、佐竹敬久秋田の両県知事、畠利行福島、寺田吉道新潟の両県副知事の4人がパネリスト、波床(はとこ)正敏大阪産業大教授が司会を務めた。波床教授は基調講演も担当した。

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