談話室

▼▽哲学者木田元(げん)さんは中央大で教職に就き、先輩に導かれて名店を回るうちにそばの味を極めようと思った。大学が当時あった東京・神田界隈(かいわい)は「そばの聖地」。老舗ぞろいで、そばを食しては先輩の蘊蓄(うんちく)に耳を傾けた。

▼▽郷里から所用で上京した母親には下町の隠れた名店で「特製そば」をごちそうした。先輩と以前連れ立って行った店だった。その折、先輩が「絶品」と評していたそばは確かにうまかったが、食後の母親の感想に驚いた。「うん、おいしい。新庄の駅の売店のそばと同じ味」

▼▽新そばの時季を迎えた。週末を中心に香り高いそばを楽しむイベントが各地で続く。「村山名物!新そば一番長板そば」は、刈りたて・ひきたて・打ちたて・ゆでたての「四たて」で提供した。15日付本紙の写真を見ると、そばをすする音がそこかしこから聞こえて来そう。

▼▽木田さんは旧満州に育ち戦後、新庄や鶴岡で暮らし、県立農林専門学校、東北大と進む。昭和30年代の逸話を記した随筆「そば通になりそこねた話」は「灯台下暗し」「眼(め)から鱗(うろこ)の落ちる思い」と古里の味に思いを寄せる。そば文化が根付く地のありがたさをかみしめたい。

(2018/10/16付)
最新7日分を掲載します。
  • 10月16日
  • ▼▽哲学者木田元(げん)さんは中央大で教職に就き、先輩に導かれて名店を回るうちにそばの味を極めようと思った。大学が当時あった東京・神田界隈(かいわい)は「そばの聖地」。老舗ぞろいで、そばを食しては先輩の蘊蓄(うんちく)に耳を傾けた。 [全文を読む]

  • 10月15日
  • ▼▽高校時代の同級生と久しぶりに会う機会があり、居酒屋で歓談した。卓上こんろの牛鍋が食べ頃になったので取り分けようとしたら「俺、煮た肉が苦手なんだよね」。焼いたらおいしく食せるのに、煮ると駄目らしい。[全文を読む]

  • 10月14日
  • ▼▽ミッシングリンク(失われた環(わ)/鎖)は高速道路の未整備区域を示す際に多く使用される言葉だが、本来は動物進化の記録の空白を指す。その間を埋める化石は古生物学の貴重な資料であり、発見は大ニュースとなる。[全文を読む]

  • 10月13日
  • ▼▽原稿は専らパソコンで書く。視力が衰え、車の運転中はトンネルの暗さに目の負担を覚える。免許の更新時期が迫り、視力検査を思うと、気が滅入(めい)った。作家山本一力さんは還暦を機に更新を見送り、免許を返納した。 [全文を読む]

  • 10月12日
  • ▼▽カップ麺はひょんなことから人気に火が付いた。1971(昭和46)年に登場して徐々に広まるが、人気を決定付ける出来事になったのは72年のあさま山荘事件とされる。図らずも全国の視聴者へのアピールになった。[全文を読む]

  • 10月11日
  • ▼▽「ガクチカ」は大学に通うのに至便なアパート物件ではない。学内の地下食堂でもない。大学生の就職活動で生まれた略語である。学生時代に力を入れたことを尋ねる、企業の面接担当者の定番質問を意味するという。[全文を読む]

  • 10月10日
  • ▼▽山里の秋は速足だ。紅葉が見頃だと油断しているうちに霜が降り、そう日を置かずに雪となる。その前にと、台風一過の休日にクルミを拾った。野の恵みを楽しみにしているのは人間だけではないので、袋一つ分だけ。 [全文を読む]

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