談話室

▼▽高校時代の同級生と久しぶりに会う機会があり、居酒屋で歓談した。卓上こんろの牛鍋が食べ頃になったので取り分けようとしたら「俺、煮た肉が苦手なんだよね」。焼いたらおいしく食せるのに、煮ると駄目らしい。

▼▽聞くと、理由は小学生時代にまでさかのぼる。給食で肉入りの煮物が出てきた時、食べ切れなかった。すると午後の授業の間ずっと、残したおかずを机の上に置いておかなければならなかった。このため煮た肉がもっと嫌いになり、40年以上たっても苦手意識が続いている。

▼▽対照的なのが斎藤茂吉短歌文学賞の選考委員を務める歌人で、細胞生物学者永田和宏さんの記憶である。永田さんはノーベル物理学賞の湯川秀樹博士に憧れて京都大理学部に入学した。博士は退官を控えていたが、1年間「物理学通論」の最後の講義を受けることができた。

▼▽内容はほぼ忘れた。だが、博士の講義を生で聞いたという記憶は「どこかで自分の自信として残っている」。共著書「僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう」に書いている。強制より自信を感じさせる方向に導くこと。人材育成の要諦はやはりこの辺りにあるのだろう。

(2018/10/15付)
最新7日分を掲載します。
  • 10月15日
  • ▼▽高校時代の同級生と久しぶりに会う機会があり、居酒屋で歓談した。卓上こんろの牛鍋が食べ頃になったので取り分けようとしたら「俺、煮た肉が苦手なんだよね」。焼いたらおいしく食せるのに、煮ると駄目らしい。[全文を読む]

  • 10月14日
  • ▼▽ミッシングリンク(失われた環(わ)/鎖)は高速道路の未整備区域を示す際に多く使用される言葉だが、本来は動物進化の記録の空白を指す。その間を埋める化石は古生物学の貴重な資料であり、発見は大ニュースとなる。[全文を読む]

  • 10月13日
  • ▼▽原稿は専らパソコンで書く。視力が衰え、車の運転中はトンネルの暗さに目の負担を覚える。免許の更新時期が迫り、視力検査を思うと、気が滅入(めい)った。作家山本一力さんは還暦を機に更新を見送り、免許を返納した。 [全文を読む]

  • 10月12日
  • ▼▽カップ麺はひょんなことから人気に火が付いた。1971(昭和46)年に登場して徐々に広まるが、人気を決定付ける出来事になったのは72年のあさま山荘事件とされる。図らずも全国の視聴者へのアピールになった。[全文を読む]

  • 10月11日
  • ▼▽「ガクチカ」は大学に通うのに至便なアパート物件ではない。学内の地下食堂でもない。大学生の就職活動で生まれた略語である。学生時代に力を入れたことを尋ねる、企業の面接担当者の定番質問を意味するという。[全文を読む]

  • 10月10日
  • ▼▽山里の秋は速足だ。紅葉が見頃だと油断しているうちに霜が降り、そう日を置かずに雪となる。その前にと、台風一過の休日にクルミを拾った。野の恵みを楽しみにしているのは人間だけではないので、袋一つ分だけ。 [全文を読む]

  • 10月8日
  • ▼▽対岸の埋め立て地を見渡せば、発電所や製鉄所の煙突がそそり立つ。横浜市鶴見区にある、JR鶴見線の海芝浦(うみしばうら)駅は京浜運河に面し、ホームの柵の下は海。紀行作家の宮脇俊三さんが選んだ「車窓16選」の一つである。[全文を読む]

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