談話室

▼▽詩人・小説家室生犀星が自宅で最後に口にした食事は川魚ハヤだった。随筆家で釣り好きとして知られる長女の故朝子さんが「はやの乱舞」で回想する。父の看病の合間に友人たちと出掛けた川での唯一の釣果だった。

▼▽ハヤはウグイの別名。春から初夏の産卵期には「桜●(さくらうぐい)」の季語が示すように体側に紅を引いたような鮮やかな婚姻色が浮かぶ。朝子さんの釣行は冬。川沿いの農家から「川がピンク色に染まる」と聞かされ「実際は想像より何千倍も美しいだろう」と胸躍らせる記述もある。

▼▽産卵期に小石の多い瀬に群れる習性を利用した漁が各地にあり、県内では最上川中流域で「せつき漁(狩り)」などとして伝わる。独特の臭みがあり食用としての評価は高くない魚だが「せつき」は別。炭火での塩焼き、田楽の味を懐かしく思い出す方もいるのではないか。

▼▽そんな初夏の風物詩が危機に瀕(ひん)している。原因はカワウ。アユなど経済価値が高い魚の被害に目を奪われがちだがウグイも激減、尾花沢市などは漁にならない年が続いているという。ウグイは「鵜食(うぐ)い」に由来する説もあるが、川の文化まで食われてしまってはたまらない。

●=魚ヘンに成

(2018/05/28付)
最新7日分を掲載します。
  • 5月28日
  • ▼▽詩人・小説家室生犀星が自宅で最後に口にした食事は川魚ハヤだった。随筆家で釣り好きとして知られる長女の故朝子さんが「はやの乱舞」で回想する。父の看病の合間に友人たちと出掛けた川での唯一の釣果だった。 [全文を読む]

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